約束の地

さらに追記として
たまにテレビ見ると2700が面白い。
去年コント大会で、見た人がわざわざクレームするほど
キリンスマッシュのネタが大反応だったとか・・・

そのおもしろさについて、受けたことについてチョット考察があったので以下に記す。

(引用 お笑い芸人評論所)
第一回のキングオブコント2008で初めて彼らのネタを見てそのリズムに妙に惹かれた。(キングオブコントの記事)
このときはナレーションを急にカットしたり意味不明な箇所がいくつかあった。
おそらくシュールさを演出したつもりだったと思うが、その辺りは笑いにはなっていなかった。結果も最下位に終わっている。

しかし全体的に単なる歌ネタ以上の癖になるリズムがとても印象的で、以来2700に注目するようになった。
ブルースブラザーズ風の衣装でネタ作り担当の八十島と、その八十島からネタのことは考えなくていいから体を鍛えろと指示されているツネの組み合わせ。

ツネは「芸人報道」では、早着替えしつつ、あそこを出してしまうという下ネタも披露していたように、体を張って笑いを取りにいく。

キングオブコント2008以降、「レッドカーペット」等で桃太郎やへそを探すショートネタなどを披露し、そこそこ受てはいたが、ブレイクするまでには至らなかった。
僕も見ていて面白かったりそうでなかったり、最初のインパクトを超えるものを感じることができないでいた。


彼らの知名度を一気に上げたのは昨年のキングオブコント2011での活躍だ。

披露した2本のネタともに高得点で2位となった。
僕は特に2本目のキリンスマッシュのネタが好きで、優勝したロバートより良かったと思っていた。
この記事を書くにあたってネタを書いてる八十島のブログをのぞいてみた。

ブログが炎上したとのことでコメントを見てみようと思ったのだが、すでに削除されたようだ。
しかし、1万件を超える賛否両論のコメントがあったとは驚きで、ネタが面白くないというコメントに怒っている
十島の記事から察するに相当の非難の嵐があったようだ。
このキリンスマッシュのネタはリズムネタであるということだけでなく、シュールであるということがポイントだ。

シュールという表現方法は曲者で、分からない人には何がいいのかさっぱり分からない。
僕はお笑いに限らずシュールな良さを人に言語で伝えるのは無理だと思っている。
これは非常に直観的な感覚で右脳に訴えるものだ。理屈ではなく、惹きつけられたとすれば良いものであるし、そうでなければその人には何の価値もない退屈なものである。

絵画や音楽の好き嫌いも同様であり、2700が音楽ネタをやっていることもこの問題に拍車をかけているように思われる。


爆笑問題・太田がキューブリックの映画を否定しているが、彼の感覚にキューブリックのシュールな良さは伝わらなかった。僕は太田がキューブリック批判をとても熱く語っているのを聞いて、自分とは大分感覚が違うと思ったが、それは仕方ないことだ。

彼にとっては世界的に評価された「2001年宇宙の旅」よりも寅さんのほうが映画として大きく価値のあるものであり、彼の感覚を否定することはできない。自分が分からないものを絶賛されれば当然不愉快な気持ちになるのはよく分かる。ちなみにこの映画も公開当時、興業的には振るわず途中で退席する人も多かったようで、最初は酷評する人も沢山いた。


2700のネタは誰も傷つけるようなものではなく、批判する人の、面白くないのに評価されるんじゃねーよ、というやり場のない怒りであることが興味深い。

しかし彼らにすれば、この事件は良いことだ。賛否両論を巻き起こすということは、それだけ人にインパクトを与えているわけで芸人としては大成功だと思う。

逆風が強いほど凧は高く舞い上がることができるように、マイナス方向に振れたベクトルは、彼らが理解され始めれば一気にプラス方向へ転じる可能性を秘めている。


THE MANZAIのネタ見せで行った彼らのネタは漫才と呼ぶには疑問があったが、二人が一緒になってレロレロと歌う
誰にでも分かる楽しいものであった。この路線で行けば物議を醸しだすことはないだろう。


誰もが分かる楽しい音楽ネタと理解不能な不思議な世界。

これからも様々な笑いに対する挑戦を続けて欲しい。